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東京あいうえお

発達障害を持つ育てにくい子たちと できるだけ楽しく暮すには?を探す試行錯誤の日々

麺や金時 本気で恋した東京で一番おいしい汁なし担々麺の店を紹介します

お店

みなさんは汁なし担々麺を食べたことがありますか?

僕は2013年、2014年に中毒と言っていいほど汁なし担々麺にハマっていました。

その思い出を書きたいと思います。

 

あれは2012年の春、家のすぐ近くにラーメン屋ができました。駅から少し離れた住宅街にある、居抜きの物件です。

僕はそこまでラーメン好きというわけではなかったので、その店に対しても「ふ~ん、できたんだ」という程度の関心でした。
そして開店から3か月ぐらい経った頃、外の看板に書かれた「汁なし担々麺」の文字に興味を持ち店に入ったのです。

 

汁なし担々麺って何だ?

 

当時はカウンターと壁側に大小テーブルがあり、満席で12~13人ぐらいのスペースだったと思います。
そこで恐る恐る人生初の汁なし担々麺の食券を購入し、初めて食べてみると、


ん?口の中がヤバい! 何これ!? うまい、の?


自分でも何だかわからない感想でした。
これは花椒という四川料理の麻婆豆腐に入っている、シビれ抜群のスパイスによるインパクトが大きかったんだと思います。

 

こんなの初めて!

 

うまいとも、まずいともわからないけど、初経験のシビれにしばらく呆然と立ち尽くしていた記憶があります。

そして家に帰ってからも、夢にクラスの女の子が出てきて次の日に意識してしまうような「何かわかんないけど何か気になる!」状態になり、とりあえず再度食べて確かめてみようと思ったのです。

それから5~6回目ぐらい通ったある日

 

「こ・れ・は・本・当・に・う・ま・い!」

 

と、それはもう絶対的に確信したのです。

初めて食べてから3か月ぐらい経っていました。

 

そこからはとにかく頭の中は汁なし担々麺のことでいっぱいです。

マジで恋しちゃったんです。

本当に、いつも会いた、、いや、食べたいと思ってるんです。

 

夜、妻が作ったごはんを食べた後、「ちょっと行っていい?」と何度行ったかわかりません。
それはもう、妻を抱いた後に別の女を抱くかのようにです。

 

子どもを寝かしつけていても、早く寝てくれれば閉店前に行けるのに!と何度思ったことか。
それはもう、菓子パンと1000円札を置いて子どもを家に置き去りにして彼女の家に行くかのようにです。

 

その頃の自分は、夫であるよりも、父親であるよりも、男であることを選び汁なし担々麺に狂っていました。
ロクデナシと言われても仕方ありません。
会いたい、いつもずっと一緒にいたい。頭の中は彼女、いや汁なし担々麺のことでいっぱいです。


それを恋と呼ばずして何と呼ぶのでしょう。


完全に恋に溺れている状態です。
恋は盲目。
恋をしている時、人は最高に幸せで愚か者になるのです。

 

汁なし担々麺のせいで妻と何度もケンカになりました。
「どうせ私が作る料理より、汁なし担々麺の方が好きなんでしょ!」


でも僕はこう言い返します。
「俺は酒も飲まない、煙草もやめた、ギャンブルもしない。汁なし担々麺を食べるくらい許してくれよ!」

 

子どもができて、どうしても子ども中心の生活になりながらも、自分はまだ妻と男と女の関係でい続けたいと思っていました。
でも、子育てに忙殺され、お腹を痛めて子どもを産むという確実に母になる儀式を済ました妻にとって、そんなことの優先順位はどうしても低くなります。
それどころか、「子育てのパートナーとしての役割を十分に果たせない役立たずのくせに、何を男と女がどうだこうだなんて言ってるんだ。ちゃんと夫として父親としてやるべきことやってからそんなことは言え!」と心の声が聞こえてくるのです。

 

未熟な夫かもしれない。
駄目な父親かもしれない。
でも、夫であり父親であると同時に、男でい続けたい。
男としての自信を失えば、いい夫、いい父親にもなれるはずがない。
男であることこそが自分のアイデンティティ、それを失ってはいけない。

 

妻のレベルアップ進化(母への成長)に付いていけない自分は、ぽっかりと心の中に穴があき、その穴を家庭の外で埋め合成進化しようとしていたのです。

 

だから、僕が汁なし担々麺に夢中になったことを後悔なんてしなかった。
むしろ、一食約20分間と1000円以内で気持ちのバランスが取れて家庭が円満になるならいいじゃないかとさえ思っていた。

 

そんなこんなで、年間を通して週に1度くらいは逢瀬を重ね、その関係は2年ぐらい続いた。

 

しかし浮気する男は、一度では終わらない。

 

どうしようもなくてだらしない自分は、さらに別の汁なし担々麺にも興味を抱いてしまうのだ。
はい、そうです、色々な町でヤリまくりました。

 

四川担担麺 阿吽 湯島 (シセンタンタンメン アウン ユシマ) - 湯島/担々麺 [食べログ]

うさぎ - 神泉/ラーメン [食べログ]

キング軒 東京店 - 浜松町/汁なし担々麺 [食べログ]

雲林坊 秋葉原店 (ユンリンボウ) - 岩本町/担々麺 [食べログ]

担々麺 辣椒漢 (タンタンメン ラショウハン) - 小川町/担々麺 [食べログ]

川菜館 (センサイカン) - 新御茶ノ水/四川料理 [食べログ]

虎穴 (フーシュエ) - 馬喰横山/中華料理 [食べログ]

食堂 七彩 (ショクドウ シチサイ) - 都立家政/ラーメン [食べログ]

 

世の中にはまだ出会っていな本当に素敵な子がたくさんいて、一生出会わない子もいて、手を伸ばしても届かないことだらけで、人生の儚さを思うたびに本当に切なくなる。

 

芸術とは、絶望的に儚い瞬間から永遠をつかみ取ることだ、と本で読んだことがある。
普遍的な確かなものを求めて、絶対的な愛を感じたいがために、刹那的な生き方を選ぶ愚か者は私です。
神を信じないのに神社で賽銭箱に500円玉を入れてお祈りをしてしまうのも私です。

 

この子たちも本当に素敵だったけど、他の子を知れば汁ほど彼女の良さを再確認していった。
あやふやだった輪郭がくっきりとしていく、そんな旅だった。

 

でも、この恋はあっけなく終わることになる。

 

引っ越してしまったのだ。


物理的な距離が、心の距離も遠ざけてしまうとは自分でも意外な結末だった。自分では遠距離恋愛になるとむしろ燃える方だと思っていた。

 

最初の頃は、40分かけてバスと電車を乗り継ぎ行っていたけれど、色々な理由を見つけてはだんだんその機会も少なくなっていった。
今でも1~2か月に1度くらいは行くけれど、だいぶ冷静な気持ちを保てるようになってきた。
会いたくて会いたくてどうしようもないという状態になることもなくなった。

 

 

ごめん、君は寂しくなったよね。

もしかしたら僕は、自分の弱さを言い訳にして、君を都合のいいように利用しただけなのかもしれない。本当に君の幸せを望んでいたというよりも、自分のことだけを考えていたんだと思う。

恋は往々にして相手のことを好きなようで、自分のことしか見えてない時があるよね。

でも、きっと君は僕以外の人にも愛されて幸せになると思ってる。

 

あの幸せだった時間は、今や遠い昔の幻だったと思える時もあるんだ。


でも、僕は君を愛していた。

その言葉に嘘はない。


その確かな証は、今でも僕の腹回りの脂肪として残り続けているよ。

 

Maybe forever